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宮司のいい話

No.217

正しく怒ること

「怒れない人という言葉をよく耳にします。
一般的に、「怒る人」は、「短気な人」のイメージにつながり、よい印象はないようです。そう考えると、「怒れない人」はいい人なのでしょうか?
しかし、「怒り」には二つの種類があります。一つは「反射的な怒り」で、もう一つは「反応的な怒り」です。
「反射」というのは、何かが起こった時に身体が自然に行動することです。例えば、手が熱いものに触れると、手の感覚神経が「熱い」という刺激の信号を伝えます。
脊髄はその信号を受け取ると「危険」判断し、すぐに手を引っ込めるように信号を出します。信号は運動神経を通って筋肉に伝えられ、筋肉が収縮し、手を引っ込める動作をします。
これが「反射」の一つで「脊髄反射」と呼ばれるメカニズムです。
例えば、皮膚が空気の冷たさに触れ、「冷たい」という刺激の信号を発します。信号は感覚神経を伝わって脊髄に達し、脊髄から大脳に送られます。そこで大脳は外界の寒さを感じて、
寒さを防ぐように命令を出します。命令の信号は脊髄を伝い、手の運動神経に達して、「手袋をはめる」という行動を取るのです。つまり「反応」というのは、脳を達しての行動であり、
それに対し「反射」は、腦を通さない行動なのです。「怒り」の感情にも同じことが言えます。カーッと頭に血がのぼって怒るのは「反射的な怒り」である、腦を通さず脊髄で怒っているのです。
これは、人にケガを負わせてしまったり、間違いを起こしやすい「怒り」となってしまいます。「怒り」という感情を正しく用いるためには、「反射」ではなく、腦からの命令による「反応」の怒りに
しなくてはなりません。怒り方にもコツが必要なのです。「反射的な怒り」は感情や気分次第なので、相手に怒りの意味を理解してもらうことは難しいでしょう。ですから、よく考えたうえで怒ることが
ポイントです。そうすると相手にも十分に伝わり、効果的な「怒り」の感情を表すことができるのです。「怒れない人」というのは、性格的にいい人、よくできた人と見られることがあります。しかし、
怒れないことで損をしている部分もたくさんあるのです。例えば、あなたが怒らない人だと周囲に認識されると、ばかにされることがあります。他人に利用されてしまい、あなたは利用されていることに
気がついていても、怒れないのです。そして、怒れない自分自身に嫌気がさしてしまいます。また、怒れない自分に言い訳をするように、「相手は何を言っても通じない」などと理屈をつけて、自分を
納得させることもあるでしょう。しかし、それらは自分の心をごまかしているだけなのです。心を偽っていることに気づいて嫌気がさし、さらに自己嫌悪に苦しむのです。
「こうありたい」「こうしたい」を願望を持ち、それに向かって強い意志を持って取り組んでいると、必ずどこかで、それと相反する意見や行動にぶつかるものです。
何かにぶつかったり、意見の合わない人と出会った時には、あなたの前に立ちはだかる障害に対する怒りの感情は、ある意味で有効なのです。怒りの感情が持つ強い力で、あなたは障害を乗り越えて、
自分の理想とするところへ進むことができるようになるのです。「怒り」は、熱い思いや感情の現れでもあります。激しい怒りを持って障害を蹴散らし、乗り越えることが、成功に向かう一つの手段となる
場合もあるでしょう。あなたが何かに一所懸命取り組んでいる時に、周りがふざけた態度を取ったり、真面目に聞いてくれなかったりすると、腹が立つと思います。一所懸命であればあるほど、怒りの感情も
大きくなるでしょう。逆に、怒らなくなってしまうと、情熱が薄れてくるものです。「怒り」という感情は、何かを成し遂げるためのパワーであり、原動力でもあるのです。「怒れない人」というのは、
「怒り」を必要としない状況になっているとも考えられます。しかし、その状況は自分自身で作っているのです。
また、「怒り」は、自信につながるものでもあります。自分が正しくて相手が間違っているという思いから生じる怒りもあるでしょう。これは、自分に自信を持っているからこその感情です。
自信が持てない人は、正しく怒ることで自信を取り戻すことができます。
「反応的な怒り」「正しい怒り」というものは、人生において必要な感情の一つなのです。特に「反応的な怒り」は、自分で作っていかなければいけません。
あなたは「怒れない人」ですか?
何事に対しても一歩引いた傍観者のような立場で取り組んではいませんか?そこから「怒り」は生まれてきません。
人生において、怒らなければならない時が必ずあります。必要な時に、正しく怒って、自分自身に自信を持って、相手を正しい方向へと導いていけるようにしたいものです。

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