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宮司のいい話

No.223

人生はホームラン

儒教の創始者で中国の思想家孔子は『論語』の中で次のように語っています。

「吾、十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わす。五十にして天命を知る。六十にして耳に順う。七十にして心の欲するところに従えども矩をこえず」

これは孔子の人生観を表した言葉と言えます。

 
また、仏教評論家として著名なひろさちやさんは「人生はホームランのよう」とも言っています。

ホームランを打つ時のバッターは、思いきりフルスイングをしますが、打った直後はまだホームランなのかどうかはわかりません。バッターは打球がヒットになることをねらって一塁まで全力疾走します。
一塁を蹴って二塁へ進む頃に打球はスタンドに入り、ホームランになったことがわかります。しかし、全力疾走時の勢いがまだあり、一塁へ向かった時ほどではありませんが、スピードは残っています。
二塁を蹴って三塁へ向かう頃には、そのスピードもゆっくりとなり、スピードと反比例するようにホームランの喜びがふつふつとわき上がってくるのです。
そして三塁を蹴ってホームベースへ戻ってくる時は、喜びの中でゆっくりと進んでいくことになるのです。

この歩みが人生に似ている、というのがひろさちやさんの主張です。

ホームベースを人生の終結と考えるなら、一塁へ向かう頃は、わけもわからず無我夢中で過ごしている少年時代と言えるでしょう。
二塁へ向かう頃は、少し周りの状況も見えてきて、全力で走った余韻も残っている青年時代。
二塁を蹴って三塁へ向かう頃は、ホームランという確信を持って、人生がわかってくる壮年時代です。
三塁からホームベースへ向かう頃は、喜びに満ちて自らの人生をかみしめ、一歩一歩終結へと歩んでいく老年時代と言ってよいでしょう。

このように、人生には流れがあるのです。ひろさちやさんの人生観を孔子の言葉に当てはめてみると、一塁を目指す少年時代は「吾、十有五にして学に志し」に当たります。いろいろな勉強をして一心不乱に学ぶということであり、あらゆる本を読んで知識を吸収し、自分の求めるものを探している時代のことです。
二塁へ向かう青年時代は、「三十にして立ち」の心です。「立つ」ということは、信念ができるという意味です。世の中で何ができるか、何をなすべきかを悟り、そのための信念を樹立させる時代なのです。
二塁から三塁へ向かう壮年時代、これは「四十にして惑わず、五十にして天命を知る」という言葉に対応します。
「四十にして惑わず」とは、三十代で樹立した自分の信念に対してな迷いがなく、確信を持った時代ということです。迷いがないということは、人生にどのような目標を立て、どのように生きたらよいのかを確信したということなのです。

また「天命を知る」ということは、自分を超越する存在、言い換えると神の存在や自然の真理、大宇宙の摂理を知るということです。

最後に、自分の信念に迷いが生じることなく、天の法則を知り、人生の真理を悟っていく時代、これが三塁からホームベースへと向かう老年時代、孔子が言うところの「六十にして耳に順う、七十にして心の欲するところに従えども矩をこえず」なのです。

人生の裏も表も知り尽くし、大自然の真理を悟った中で、「耳に順う」ということは、どんなことを耳にし、どんな事件に遭遇したとしても、すべてが理解できるということです。「矩」とは、宇宙の真理法則を意味しています。つまり、あなたがしたいことを行った場合、若い頃であれば失敗をしたり、叱責を受けるようなこともありますが、物事の裏表を知り、真理に近づいた今は、真理の法則からはずれることがなくなったということです。人生における最高の到達点を「矩をこえず」という言葉で表しているのです。

私たちは、孔子のように、自然の真理にはずれない順調な人生の歩みを進めることは難しいですが、そのようにありたいと努力することは可能です。
私たちは生きていくうえで「衣食住」を必要とします。その中でついつい、必要以上にもっとよいものが欲しいという「欲」が出てきます。人として生きていく以上、この「欲」を捨てることは難しいですが、パンパンにふくれ上がった欲を「しぼませる」ことはできるのです。欲を抑えてしぼませるという考え方が、「矩をこえない」自然の法則にかなった生き方につながっていくのです。
欲を捨て、自然の法則にかなった生き方にたどりつくこと、そうした悟りを得ることは難しいかもしれませんが、悟りを目指す心でいることが大切なのです。

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