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宮司のいい話

No.219

人は何のために生きるのか

人は何のために生きるのでしょう。

それぞれ、いろいろな理由があると思いますが、つきつめると、他人から自分の存在を認めてもらうためではないでしょうか。「私は生きている」「私はここにいる」と、存在を認めてもらいたいからこそ、人は一所懸命生きるし、守るべきものを守っていくのです。

他人に気づかれなかったり、無視されたりすると、途方もなく寂しいものです。かつての日本社会には、「村八分」という制裁がありました。村社会の中で決まり事を守らなかったり、秩序を乱した場合、その人だけでなく、その家族との交際をいっさい絶つという申し合わせでした。言わば、「仲間はずれ」です。「八分」とは、十あるつき合いのうち、八はつき合わない、という意味を持っています。残った二つのつき合いというのは、「葬式」と「火事」です。遺体がそこら辺りに転がって腐敗したり、あるいは祟りがあっては困ります。火事が起きて近所に延焼しても困るので、放置しておくと周囲に迷惑が及ぶものを除いて、つき合いを絶つというルールになっていました。

地域社会で仲間はずれにされ、無視されることは、とても苦しく、つらい部裁だったに違いありません。
現在の刑務所の中でも、規則を破った囚人は「独居房」という個室に送るという制裁があるそうです。これも、たった一人で過ごさなければいけない重い制裁だと思います。
元日本陸軍軍人の小野田寛郎さんが、平成26年(2014年)1月16日に亡くなったという新聞記事を読みました。
小野田さんは、戦争が終わったことを知らずに、終戦後二十九年もの間戦い続けていましたが、フィリピンのルバング島で発見され、昭和49年(1974年)に帰国を果たした方です。帰国後の取材で「二十九年間で一番大変だったことは何でしたか?」と聞かれていました。数人でジャングル生活をしていたのですが、一人減り、二人減り、発見される二年前に、最後に残った部下の小塚金七さんが亡くなり、その後はたった一人で戦争を続けていました。小野田さんは、このように答えました。

「残っていた最後の仲間が亡くなってからの二年間が、一番つらかった」

この言葉からもわかるように、一人ぼっちになったり、村八分で周りから無視されたりすることが、社会の一員として生きている私たちにとって、一番つらいことなのです。
私たちは、自分の存在を認められるために一所懸命生きている、と書きましたが、人から認められるにはどうしたらよいのでしょう。
自分のためだけに一所懸命生きていたとしても、誰も喜んでくれたりはしないし、誰もあなたを評価してはくれません。
あなたが、自分の家族のため、あるいは守るべき人たちのために一所懸命生きていれば、その家族や守った人たちがあなたを認めてくれるでしょう。
さらに、地域のため、他人のために一所懸命奉仕をしていたら、多くの人たちに認められるようになるでしょう。
社会のためや国のため、世界のために貢献した人は、社会や世界の人々から認められる存在になるのです。
あなたが生きている証とは、一所懸命に働き、人のために尽くし、周りの人たちから存在を認めてもらうことにあるのではないでしょうか。
しかし、人や社会のために尽くすといっても、一つの「法則」があります。まずは、身近なところから始めていくということです。

例えば、百万円の臨時収入があったとします。もともとなかったはずのお金なので、何か世のため人のために使うことにして、飢餓に苦しんでいる外国の恵まれない子どもたちのために寄付したとします。
すると、親戚や家族から「私たちも困っているのにどうして助けてくれないの?」という不平が出てくるのではないでしょうか。
せっかくのよい行いも、身近な人たちには理解されず、認めてもらえないという結果になるのです。

ですから、まずは身近な人たちを助け、心を尽くしていくということが必要になるのです。家族や親類や近所の町内会のために力を尽くし、余力があれば、国や世界に貢献していくようにして、奉仕の輪をどんどん広げていくとよいでしょう。

例えば、あなたの家の中が散らかっていて、掃除もままならない状態にあるとします。そんな状況の時に、「人助けだから」と言ってあなたが出かけてしまったら、残された家族は寂しい思いをするでしょうし、あなたの行動を理解できないでしょう。家族をないがしろにしたまま社会に貢献したとしても、本末転倒と言わざるを得ません。
家族に理解されず、認めてもらえず、不平不惑を募らせてしまう、そんな状態であれば、どんなに社会に貢献できたとしても、寂しい人生になってしまうに違いありません。
しかし、家族に理解され認めてもらえたら、家にいる他の家族の協力も得られ、いい社会貢献につながるでしょう。

身近なところから尽くしていき、理解を得て、余力があれば奉仕の輪を広げていくことで、より多くの人たちに認められる人生へとつながるのだと思います。

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