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宮司のいい話

No.211

陰陽五行説

以前テレビ等で陰陽師が大変話題になったことがあります。陰陽師とは、中国から伝えられた、陰と陽の思想と五行の思想にもとづいて、占事を行ったり、災害や動乱などの異変が起きた時に、原因や処置方法を教えたり、天文や暦、あるいは病気の治療などのための技術的知識をもった人のことで、平安時代に盛んに活躍をしていました。
陰と陽の思想とは、この地球上だけにとどまらず、宇宙もすべて「陰」と「陽」のバランスでなりたっているという考えです。たとえば、太陽と月、光と陰、天と地、山と海、男と女、プラス・マイナスといった具合に相反するものがあり、お互いがあってこそ存在するという考えです。逆にいえば、物事には必ず相反する物が存在するという考えです。
又、五行の思想とは、そうした「陰」と「陽」の気がまざりあって、五つの要素が生まれたとするもので、それが、木・火・土・金・水つまり、木となり、火となり、土となり、金となり、水となって、この世に存在するすべてがこの五つの要素、五つの気から成り立っていると考えます。その五つの気の作用、働きを「五行」といっているのです。
この、五つの気には、相手を助ける働きと、相手の良さを殺してしまう働きの二つの法則が考えられています。相手を助ける働きを相生といいます。つまり、木から火が生じ、燃えたものは土となり、土は固まって金(鉱物)となり、金は冷えて水を生じ、水は木を育てる、というふうに、自然の流れに沿った、良い組み合わせで、木・火・土・金・水の順に循環した良い関係を説いています。
又、相手の良さを殺してしまう働きを、相剋といい、この組み合わせは、木火土金水の順番を一つ置きに組み合わせたものです。つまり、木は土を割って伸び、火は金を溶かし、土は水を飲み込み、金は木を傷つけ、水は火を消す。こういうふうに、悪い関係を説いています。
しかし、生じることと、剋することは、陰陽の関係と同じく、表裏一体ですので、どちらを中心にすえて見るかによって、善し悪しが決まります。目的によっては剋する関係の方が良いときもあります。
今まで説明しました陰陽五行の説をまとめますと、唯一実在の物を、仮に神と考えますと、神は陰陽を生み、陰陽が変化して五行を生じ、五行が万物を形づくると考えるのです。
つまり、宇宙を含め、すべての物事は、有形無形にかかわらず、木火土金水のいずれかに分類し、この五つの要素の盛衰によってすべてのことの相性や成り立ちを考える方法が、陰陽五行説です。
宇宙の現象をすべて五行に分類するので、例えば、方位は、東西南北と中央の五方位とし、色は、赤青黄と白と黒の五色とし、季節は春夏秋冬に土用を足して五時とし、惑星も、木星、火星、土星、金星、水星の五惑星とし、それに陰陽の太陽と月を足したものが、月火水木金土日の曜日となりました。又、大相撲の土俵の上にあるつり屋根には柱の代わりに、東西南北を表わした色の房が下がっています。これも五行の表現で、東は青色、南は赤色、西は白色、北は黒色で、黒の代わりに紫を使うことがあります。そして中央は黄色なのですが、中央に位置する土俵はまさに黄色であります。又、上棟式や、神社のお祭りに立てる幟も五色の色を用いて、五行を表しています。神道のお葬式の祭壇に黄色と白色ののぼりを掲げているのを見掛けますが、これも、白は西方を意味し、黄色は五行の土を意味しますので、太陽の沈んでいく西と、土に還ることを意味したものと考えられます。大きなお祭りに着る神主の装束にも、五色が使われています。袍という名の装束ですが、黒ほう、赤ほう、緑ほう、黄ほうと白色の斎服です。
このように現在に至っても、五行思想が生活の色々な所にとけこんで現われているのです。

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