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宮司のいい話

No.200

みたま祭り

お盆にお墓参りをするとどの墓にも綺麗なお花が供えられており、とても華やかになっています。
ご先祖様や亡くなられた方に対してのご親族の思いやりと優しさが、綺麗な花となって現れているのだと私は感じます。
霊園いっぱいに先祖を思う、日本人の思いやりの心が花開いているのです。
お盆にお墓参りやご先祖参りをするのは、仏教の習慣であると思っている人がほとんどであると思いますが、実は、日本の神道に古くから伝えられている「お祭り」から由来しているのです。
実は、仏教の発祥地であるインドにはお墓を建てる風習がありません。インドでは人が亡くなると、火葬にしてお骨を川に流します。川に流されたお骨はやがて水蒸気となって雲となり雨となり、再び地上に循環して生物や植物を成長させます。植物は食べ物として人間を生かします。つまり、亡くなった人の霊が、めぐりめぐって私たちに返ってくるという考えが仏教にはあるのです。ですから、お墓の観念はないのです。
日本には古くから、春と秋に宮中で行われる、天皇のご先祖をお祀りする皇霊祭がおこなわれています。宮中で行われている先祖祭りが、民間に広まり、仏教の盂蘭盆会と結び付いて、お盆にはお墓参りをしましょうということになったのです。元々は、日本人の古くからの風習である神道から由来しているのです。
それでは、神道の「みたままつり」の考え方についてお話しします。
神道の基本は、人は皆神の子であると考えることからすべてが始まります。
神の子であるから清らかな魂を持って生まれてきます。そして、この世で生活をする中、魂が汚れてしまったならば、汚れをぬぐい去ることによって元の清らかな魂に返ることができると考えます。ですから、神道では祓を大切にします。魂の清浄を心掛けて、神から戴いた魂を大切にして生きることが神の子としての道にかなった生活と考えます。
神から戴いた魂を汚さないように、痛めないように大切にし、やがて命が尽きてこの世を去る時、魂は霊界の神の元へ帰り、子孫を護る家の守護神としてお働きくださると考えます。
しかし、長年自分の我がままから生ずる魂の汚れや、人間関係のしがらみから生ずる魂の汚れ、又知らず知らずの内に犯してしまう魂の汚れなど、この世に生きている内にきれいにぬぐい切れなかった魂は、汚れたまま神の元へ帰っていきます。そして、霊界で汚れを落とす修行に励まなければなりません。汚れがすっかり綺麗になくなった時、家の守護神として神の位にたどり着くのです。
亡くなった人の魂は、この世に生きていた時に一番気にしていることを、霊界へ行っても気にして心配してくれるものなのです。親であれば残してきた家族のことを一番心配するのです。自分がいなくなった後、皆元気で仲良く、明るく暮らしているだろうか、悲しんでばかりいて体をこわしたりしてはいないだろうか、兄弟喧嘩をしていたり、家族の心がバラバラになってはいないだろうか、などと心配してくださるのです。ですから、亡くなった人に心配を掛けないようにすることが一番の供養なのです。
「孝行をしたい時には親はなし」ということわざがありますが、親が亡くなっても孝行はできるのです。親は生きていた時も死んだ後も、いつも我が子を心配するのです。親に心配を掛けない生活をしていくことが最高の親孝行なのです。
仏教の年忌法要と同じように、神道でもお葬式がすんだ後のお祭りとして、亡くなった日から数えて十日毎のお祭りを五十日祭まで行います。その後は百日祭、一年祭、三年祭、五年祭とお祀りし、五年毎に五十年祭まで続けます。そして、五十年が過ぎるとご先祖様としてお祀りしていきます。毎日毎日の朝夕のお参りの他に、こうした折々の大きなお祭りがたくさんあるのです。
こうした折々の大きなお祭りを残された者達が力を合わせて立派に行っていく。そして、元気に生活している姿を皆が集まって御霊様に見て戴く、これが御霊様の一番喜ぶ本当の供養、御霊祭なのです。お金をたくさんかけて立派にお祭りをしても、家族の心がバラバラでは御霊様は喜びません。御霊様を中心として、家族の絆を守っていくことが残された者達の務めなのです。
御霊様は霊界で、早く魂の汚れを落として子孫を護る神の位に着こうと、魂の内側から磨きをかけて頑張っています。残された者は、御霊様に心配を掛けないようにそれぞれが一所懸命に生活を守り、折々の御霊祭を皆が力を合わせて立派に行っていくことによって、御霊様の魂を外側から磨いて協力してあげることができるのです。そして、早く神の位に着いて家の守護神として護ってもらうことができるのです。
折々の御霊祭は、ご先祖様や亡くなられた御霊様が、家族や親族が仲良く心を合わせ、交流を深めていく場として機会を与えてくださっているものなのです。感謝の心で御霊祭をしましょう。

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