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宮司のいい話

No.160

守・破・離

守・破・離という、剣道の修行の段階を表す言葉があります。
「守」は、基本を忠実に受け入れ、基礎を大切にする段階を意味します。
「破」は、基本をしっかりと身につけた次の段階として、自分の考えや工夫を取り入れて、基本から脱皮し、独得なものを生み出し、個性を生かす段階を意味します。
最後の「離」は、工夫やアイデア、個性を充実させ、全く別な流派を打ち出せるほどに成長していく段階を意味しているのです。
「守・破・離」の意味する大切なことは、「守」(基本)を大切にしてこそ、新たなる成長があること。又、「守」だけにとらわれるのではなく、自分なりの工夫とアイデアを取り入れて、基本から脱皮する心構えの大切さを教えているのです。これは剣道に関しての教えばかりではなく、実社会においても通用することではないでしょうか。新しい仕事をする時、まず基本実習を受けて、仕事の内容や基礎知識を勉強します。この時期が「守」に当たります。
基本を忠実に受け入れ、基礎を大切にする段階ですので、自分の考えを入れてはいけません。先輩や上司が色々と教えてくれる中、自分ならこうするけどな、とか、何でそんなことするの、とか、不平不満や疑問を持つ心で、基礎を習ってはいけません。まずはあるがままの状態を素直に自分に受け入れることです。自分に色々な考えがあるとしても、まずは自分の頭の中を空にして、素直に受け入れることです。そうすることによって、教えられることがすべて自分の頭に入って来ます。しかし、自分の考えを入れながら習うと、自分の判断で良し悪しを考えるので、悪いと思うことや変だと思うことは、受け入れられなくなってしまいます。そうすると、大切なことを見落してしまったり、身に付かなかったりします。基本を習う時は、自分の考えを捨てて、素直な心で、あるがままの状態を全部自分に受け入れる心構えを持つことが大切なのです。
基本が身に付いたら、今度は応用です。
この時期が「破」に当たります。
習ったことや言われたことだけをやっていたのでは、「気が利かない」とか「やる気がない」と言われてしまいます。基本が身に付いたら、基本の中に、自分の考えや工夫をこらして、合理的な方法や画期的なアイデアを考えなくてはいけません。基本を土台とした、積極的な行動を取らなくてはいけません。「守」にこだわらず、「破」を目指して、発展させていくのです。
次に、工夫やアイデア、個性を充実させて、自分の価値を高めていくのです。これが「離」に当たります。脱サラをして事業に成功する人がいます。又、会社を変えて出世する人もいます。しかしそれは、脱サラをしたり、転職をしたから成功したのではなく、成功する人は、どんな所にいたとしても、どんな仕事をしたとしても、それなりの成功ができる人だと思います。成功する要素を持っている人だから成功するのです。
成功する人は、常に守・破・離を心掛けている人だと思います。人と同じことをしていたのでは大きな成功は望めません。発想の転換を図ったり、新鮮なアイデアを心掛けたり、常に向上を心掛ける人が成功していくのです。今に満足するのではなく、少しでも向上を目指す心となることが、守・破・離の教えなのです。
そして壁にぶつかったり、何かに困り悩んだ時には、「守」に戻るのです。基本に立ち返って考えるのです。剣道でも、中々技術が上達しない時には、知らず知らずの内に、自分の悪いクセが出ていることがあります。基本に立ち返りクセを直すとうまくいくことが多いのです。
「守」は基本を習うことですが、初心に返ることでもあります。最初は「こんな夢を持っていた」「こんなことをやりたかったー」など、初心を思い出すことによって、目覚めたり、難関を乗り切る元気を取り戻したりできると思います。
基本を大切に、初心を大切にすることによって、発展、成功の道が開けてくるのです。今やらなければならないことは、今、しっかりとやりましょう。
基本をおろそかにして、成功を夢見てはいけません。「守・破・離」の教えを学び、常に向上の心をもって、実り多き人生となるよう精進して参りましょう。

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