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宮司のいい話

No.145

美しい言葉

私達は日常色々な言葉を使います。友達と話をしたり、家族と会話をしたり、会議や打合わせをしたり、言葉は人と人とのコミュニケーションに大切なものです。そして使う言葉によって人を喜ばせたり、悲しませたり、怒らせたり、あるいは言葉によって人を殺してしまうこともあります。
言われた言葉に傷ついて自殺をしてしまう人もいるのです。そう思うと言葉は大変こわいものです。昔の人は言葉には霊力が宿る、魂がこもると考えて、言葉のことを、言葉の霊「言霊」といいました。日本の言葉は美しく使うために、そして相手を思いやる言葉の配慮として、敬語があります。敬語には尊敬語とか謙譲語とか丁寧語が使われます。
尊敬語は、食べることを「召し上がる」、見ることを「ご覧になる」、言うことを「おっしゃる」、聞くことを「お聞きになる」等と言います。謙譲語は相手を高めて自分を低める言い方として、見るを「拝見する」とか行くことを「参る」とか、言うことを「申し上げる」とか、聞くことを「うかがう」等と言います。
丁寧語は、頭に「お」や「ご」を付けたり、語尾に「ます」とか「です」をつけ、お水・お菓子・おいそがしい・おやさしい等と言ったり、ご飯・ご商売・ご意見・ご出席等とか、○○でございます、○○です等とか言います。いずれも相手を敬う言い方です。
今の若い人は言葉が乱れていると良く聞きますが、あなたはどうですか。年上の人、先輩にも友達と同じような言い方をしていませんか。親に対しても、「うるせい、ババア」とか「ぶんなぐるぞ」とか「死ね」等と傷つけるような言い方をしていませんか。
言葉には心が現われてきます。だから言葉が乱れてくることは、心が乱れていることの現われなのです。心が乱れるということは、善悪の判断ができなくなったり、前後の見極めができなくなったり、正常な判断ができなくなってしまうことなのです。
日本語には、外国語に比べて、相手を思いやる美しい言葉がたくさんあります。日本語を正しく使うことは、人を想いやる優しい心を育ててくれます。人を想いやる優しい心からは、自然に美しい言葉が出てきます。美しい言葉は、相手の心を和ませます。そして喜びとなり、勇気となって相手を励まします。
きたない言葉は、相手を悲しませ、怒らせ、傷つけてしまいます。
日本語には遠い御先祖の知恵と愛情がたくさん含まれているのです。言葉を選んで美しい言葉を使うことは、自分の心を清め、人を思いやる優しい心を育てる修行となるのです。自分の感情に負けて言葉を荒げてはいけません。心が乱れたら、グッと息を飲み込み一呼吸置いて、感情を抑えて話をするように努力しましょう。人を怒るとき、あるいは注意をするとき、自分が頭にきて注意しても相手は感情で受け止めてしまい、聞こうとしません。心を落ちつかせ諭すように話すことが、相手を納得させる秘訣なのです。
言葉は生きています。人を殺すも生かすも、言葉次第なのです。言葉を大切に使い、美しい言葉に心掛けましょう。

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