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宮司のいい話

No.228

日本という国のあり方

 物理学者アインシュタインは、大正11年(1922年)に日本を訪れていますが、その時、次のような言葉を残したと言われています。
 「近代日本の発展ほど、世界を驚かせたものはない。一系の天皇をいただいて来たという国体を持っていることが今日の日本をあらせしめたのである。私はこのような尊い国が、世界に一か所くらいなくてはならないと考えていた。世界の未来は進むだけ進み、その間に幾度か戦いは繰り返されて、最後の戦いに疲れる時が来る。その時人類は、真の平和を求めて世界の盟主を挙げねばならない。この世界の盟主なるものは、武力や金力でなく、あらゆる国の歴史を抜きこえた、最も古くかつ尊い家柄でなくてはならない。世界の文化は、アジアに始まってアジアに帰る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。われわれは神に感謝する。われわれに日本という尊い国を作っておいてくれたことを」
 「アインシュタインの予言」として伝えられているものですが、この中で日本について、「もっとも古くかつ尊い家柄」と言っています。
 実際、日本という国は、2600年以上にわたり、天皇制が行われています。世界を見渡しても、2000年以上にわたって同じ家計の君主をいただいている国は、ほかにありません。
 そうした意味においても、アインシュタインの言う「最も古くかつ尊い家柄」とは、天皇家に当てはまると見てよいでしょう。
 また、彼は近代日本の繁栄は、一系の天皇をいただいていることとつながっているとも言っています。天皇家は、現在の天皇陛下は125代目となりますが、今に至るまで、すべての天皇は男系の血筋でつながっており、このように長く男系の継承をつないでいる家系は、世界でも類を見ません。 
 天皇とは、大統領や総理大臣などと異なり選挙で選ばれることはありません。血筋で選ばれていくものです。お金をいくら積んだところで、血筋でない者が天皇になることはできませんし、武力をもって天皇になることもできないのです。
 日本における天皇制とは、わかりやすく言うと、親子関係のようなもので成り立っているのです。
 親というのは選挙で選ぶものではありません、親子というのは血縁関係で結ばれているものです。
 このように、天皇制を親子関係にたとえて見るなら、天皇は国民をわが子のように思い、愛情を注いでくださっているのです。
 親から愛情を一身に受けて育った子供には、親に対する尊敬や信頼の情が産まれてきます。こうした間柄が、日本における天皇を中心とした国のあり方であり、アインシュタインがあこがれの念を抱いて見た、日本の姿だったのではないでしょうか。
 しかし、天皇を中心とするこの考え方は、やがて戦争を迎えた時に、誤った用い方をされてしまいました。日本が戦争へと向かっている時にも、昭和天皇自身は、一貫して戦争には反対の姿勢でしたが、自身の権力を行使するのではなく、議会の役割を重視し、立憲君主としての立場を守ろうとしたため、開戦の閣議決定に反対をすることはできなかったと伝えられています。
 開戦当初は、日本は天皇の下に一致団結した力があったので、勝利を収めることができましたが、だんだんと情勢も悪くなり、敗戦を迎えることになりました。
 誤った用いられ方ではありましたが、日本人にはこのように、目的のために国民が一致団結する力が備わっているのです。
 戦勝国がまず思ったことは、日本人がこれほど天皇の下に一致団結する力を備えてているなら、のちのちのために、その力を殺がなければならない、ということだったでしょう。そうした中で、連合国軍最高司令官であるマッカーサー元帥の下に昭和天皇が面会に訪れました。その時マッカーサーは、天皇はおそらく命乞いに来ると思っていたそうです。
 しかし昭和天皇は、
 「私は、日本の戦争遂行に伴ういかなることにも、また事件にも全責任を取ります。また私は、日本の名においてなされたすべての軍師指揮官、軍人および政治家の行為に対しても、直接に責任を負います。」
 とマッカーサーに語ったそうです。
 また総理大臣を通じ、皇室財産の目録をマッカーサーに渡して、
 「これを代償としてアメリカに渡し、食糧に換えて国民の飢餓を一日でもしのぐようにしたい」
 とも言われました。
 このような昭和天皇の姿勢に、マッカーサーは非常に感銘を受け、次のように答えています。
 「かつて、戦い敗れた国の元首で、このような言葉を述べられたことは、世界の歴史にも前例のないことだと思う。私は陛下に感謝申したい。占領軍の進駐が大事なく終わったのも、日本軍の復員が順調に進行しているのも、これすべて陛下のお力添えである。これからの占領政策の遂行にも、陛下のお力を乞わねばならぬことは多い。どうか、宜しくお願いいたしたい。」
 占領軍の中でも、ソ連やアメリカ本国は天皇の処刑を主張していましたが、マッカーサーは、天皇助命の働きの先頭を担っていたと言います。
 一方で、日本人の持つ団結力に危機感を覚え、天皇制を廃止するのではなく、教育によって日本人の持つ天皇の下での団結力を殺ぐ方向へとシフトしていったのです。
 戦争は日本が悪かった、天皇を中心とする国のあり方が悪かったから戦争という悪い方向へ向かっていった、象徴であった「日の丸」がよくなかった、など、戦前の日本国のあり方がよくない形だったという教育が、日本に再び戦争をさせないことにつながるだろうとされました。
 その結果、日本人は、日本人であることの誇りまでもだんだんと失ってしまいました。
 しかし、平成23年(2011年)の東日本大震災で、日本人が日本人として普通に行っていることに世界が感銘を受け、世界中が日本人の持つ素晴らしい美徳に目を向け、日本という国を再評価するようになりました。3.11は大災害でしたが、日本人が失ってしまった誇りを取り戻す一つのきっかけになったのかもしれません。

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