2006.03.13
畳のヘリについて(1)
前略
はじめまして。
どうしても、気になり質問させていただきました。
幼いころ、祖母に「畳のへりは踏んではいけない」
と叱られ、最近になり民俗学などの書物などでは、あらゆる境界は不安定で魔物に囚われやすいので昔より、ここにあえて踏み入ってはいけないと謂れを知りました。
七五三に関しても、幼年期は不安定で魔物に囚われやすいので節目にお祓いするのが七五三と。。。
ところで、先日初めてお祓いをしていただきました。(貴社ではありません。)
神社は、日本の文化・伝統の担い手と捉えておりましたが、その神官さんは、畳の縁を踏んでいらっしゃいました。
「畳の縁」は、謂れとは関係なく、あまり気にしなくても良い習慣なのでしょうか ?
なんとなく、すっきりしません。
自分としては、初めてのお祓いで 神官は見事に畳の縁をすり抜けるものと捉えておりましたもので。。。若干 ショックです。
お時間がございましたら、
ご回答いただけましたら 幸に存じます。
ご質問ありがとうございます。
私も畳のヘリとか敷居を踏んではいけないと聞いたことがあります。
境界は不安定で魔物に囚われやすいということもあると思います。
縁の下に敵が忍び込み、敷居や畳のヘリなどの隙間から刀で突き刺されることを防ぐ為にも踏んではいけないという考えもありました。
色々な考えの中に、護身の為に礼法化されてきたものと思います。
神主が神前で作法を行う場合、神様に粗相が無いことを第一前提として行動をとります。
自分の体で神様に近い方を上座と考え、上下の作法を重要視します。
立つ、座る、歩くなど一定の上下関係の作法の下に行動をとります。
特に神事にかかわる物を持った場合、落としたりぶつけたり粗相が無いようにを、最重視して行動をとります。
敷居を踏まないなどの事は行いますが、畳のヘリを踏まない行動までは祭式作法に取り入れられておりません。
神主が祝詞を奏上する際「ひざつき」と言うゴザノの上で作法を行う時があります。
この時は、ヘリを踏んではいけないとされております。
神主は姿勢正しく、祭式作法にのっとり、粗相をおこなわず、さらに畳のへりをすり抜ける機敏な動きが出来れば一番いいと思います。
神主の祭式作法は、神様に失礼が無いことを最前提と考えられておりますので、畳のヘリを踏まない事までは含まれておりません。
しかし、一般礼法としての神主の立ち居振る舞いにおいて、畳のヘリを踏まないように気おつける事は必要だと思います。
難しい事でも習慣となれば身についてきます。私もせいぜい畳のヘリを踏まないよう心がけます。
ありがとうございました。
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