No.152
ストレス
現在は自殺で亡くなる人が年間三万人を超えています。これは交通事故で亡くなる人の数倍にあたります。なぜこんなに多くの人が自らの命を断ってしまうのでしょうか。
理由はたくさんあると思います。例えば企業の倒産による行きづまりであったり、病気が原因であったり、何かの重圧やストレスが原因であったり、寂しさのあまりということもあると思います。このような色々な状況が重なり合って、悩んで悩んで死を選んでしまうのではないでしょうか。
人間死のうと思っても中々恐くて死ねるものではありません。しかし、自殺をしようとした人の話を聞きますと、その時は何も考えられない状態となり、恐怖心がなくなり、ただ死ねば楽になれると思い、スーッと何かに引きつけられるように自殺を図ってしまうそうです。人は地震等の大きな災害や、生死を分ける大きなトラブルには平然と立ち向っていきます。しかし、日常のささいなことに対しては、真剣に悩み、取るに足らないことを気に病み、すぐに忘れてしまうようなことに深く苦しんでしまいます。
「悩みは小さければ小さいほど鋭く心に刺さる」といいます。
イギリスの元首相チャーチルは、「わたしは悩むには忙しすぎる」と言ったそうです。人間は暇になるとあまりいいことを考えません。悪い方悪い方へと考えが行ってしまいます。何かに熱中している人はささいなことには真剣に悩まないようです。成人病のほとんどがストレスが原因といわれます。ストレスのたまる過程は、日常生活の中でおきる、ささいな憎しみや嫌悪感、羨望や嫉妬心あるいは恐怖心といった小さな感情が心の傷となり、次第に大きな傷となって絶望感を招き、心の病にかかってしまい、最悪の場合は自殺をも試みてしまうのです。しかし多くの人は、絶望感に至るまでにストレス解消の気分転換を図って、心の病にかからないように自己防衛をします。
例えば、イライラしている時は他人や自分の運命を愚痴ったり、落ちこんでいる時は自分をなぐさめたり、不安感におそわれた時には、話し相手を求めるでしょう。無気力になったら元気の出る本を読み、失恋したら旅に出て、情緒不安定の時は誰かに手紙を書くなどの気分転換を図ります。お酒やスポーツ、買物や食事等でストレスを発散することもあります。
気分転換とは落ち込んだ気分を高めさせようとすることです。ストレスに強いタイプの人は気分転換の上手な人です。気分転換の失敗は心の病へとつながっていきます。思いつめると心の病に冒されてしまいます。
山崎房一さんは、著書『心が軽くなる本』の中で、“人間の精神は『心』と『意識』の二重構造でできている。本能や感情によって支配される「心」と、文字や観念によって支配される「意識」は別々な働きをする。心が意識に押さえ込まれている情態が「ストレス」である”と言っています。
私達は大きな勘違いをしていたかもしれません。それは精神も心と同じもので、精神を強くするには心を強くしていかなければならない。性格を変えていくには心を変えていかなければならないと思っていたのです。心は本能と感情の燃えたぎっている人間の生きる原動力だったのです。心を変えようと思った所に無理が生じたのです。
意識は理性です。心を押さえ込んだり変えようとしないで、心と理性のバランスを考えた方が良かったのです。
我々の行動や言葉は、感情と理性がミックスされた上に成り立っていなければなりません。ことの筋道を理解しない感情だけではダメ。人間らしい感情を除外した理性だけでもダメ。感情九割理性一割位の配分でバランスが取れるのではないかと思います。ストレスが強くたまっている人は理性が強く出すぎている人だと思います。もっともっと自分の感情を奮い立たせ、裸の自分になりましょう。もっともっと自分の心を解放させてあげましょう。そうすれば心が晴ればれとして、ストレスなんて飛んでしまいます。
感情と欲望は人間が生きるための原動力です。極端な話、心の中でどんなに悪いと思われるようなことを考え想像しても、行動と言葉に悪いことが出てこなければ、その人は立派な人なのです。心の中まで清く正しくありたいと思う人は聖者を志す人です。一般の人はなかなか聖者になりきれないことが多いのです。無理なことに心がとらわれ過ぎると、かえってストレスになってしまいます。
我々の心の中には、良い心と悪い心があって、悪い心が育たないように、良い心でいっぱいになるようにと心掛けてきました。そして、悪い心が強く出てしまうと「自分はダメなやつだ」とか「弱い人間だ」などと、自分自身で悪いレッテルを貼ってしまって、落ちこんでいたのではないでしょうか。これからは、考え方を少し変えてみましょう。
心は人間として生きていく活力の燃えたぎっている大切な所だから、自分の個性として大切に伸ばしていこう。そして、意識は自分の行動と言葉をコントロールする所だから、心とのバランスを取っていこう。これをしちゃダメ、あれもしちゃダメと押さえ込みばかりが強くなり過ぎると、生きる力や気力、やる気がなくなってしまい、ストレスがたまってしまうので、ストレスを感じたら、もっともっと自分の心を解放して、生きる力を高めるようにしよう。と思えばいいのです。
本能九割、理性一割位がちょうどいいのです。良い思いも悪い思いもすべて受け止めて、あるがままの自分を最良と考え、心と意識のバランスを心掛ける生き方がストレスの溜まらない、心の病にかからない伸び伸びとした生き方になると思います。
あるがままに自分に素直に生きればいいのです。だけど、もしかして、あなたは聖者になれる人かもしれません。心の中まで清く正しくありたいと思う人は、その気持ちを大切に伸ばしてください。人間は本来清く正しく美しくありたいと願うものですから。参考:山崎房一著「心が軽くなる本」PHP研究所
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