No.144
あいさつ
言葉ができた大昔、最初にできた言葉は多分挨拶の言葉だろうと想像します。「アー」とか「イヤー」とか、声を掛け合って心の交流を図ったのではないでしょうか。
挨拶は言葉の中で一番の基本です。今まで全く知らない人でも「おはようございます」とか「こんにちは」とか、挨拶を交わすと、相手の挨拶からその人の人柄が伝わってくるような、相手との距離が身近になったような気になることがあります。ぶすっとした、こわそうな感じに見える人でも、挨拶を交わすと、見かけと違ってとても人の良さそうな感じが伝わってくることがあります。見知らぬ人でも挨拶から話がはずむこともあります。
通学で神社の前を通る小学生に「おはよう」と声を掛けても、返事もなく通り過ぎて行く子どもがいます。相手を失った「挨拶」は空しく消えてしまいます。その反対に、元気に「おはようございます」と返ってきた時には、相手の元気が自分の中に入り込んできたような、清々しい、嬉しい気持ちになります。
挨拶は人間関係を良くする潤滑油だと思います。挨拶が相手から返ってこない時は、空しく寂しさを感じます。そうした心のすれ違いが対人関係を悪くしてしまう切っ掛けとなってしまうこともあります。先日、話をした二十代くらいの男性は、『挨拶なんていらない。無意味な物だ。挨拶を強要されるのは迷惑だ。これからの社会は益々コンピューター社会となって、自宅で仕事ができるようになる。毎日会社へ行かなくても、自分の都合の良い時に出社して、仕事をする。実力さえ発揮して仕事をすれば、挨拶なんていらない』と言っていました。
私はビックリしました。「挨拶をきちんとしなさい」と、幼い時から、家庭や学校で厳しく教わってきた私は、挨拶はいらないと考える人がいるんだ、と知って驚いたのです。なるほど必要な時にだけ会社に出れば済む仕事もあると思います。人に余り会わず、挨拶もしないで済む仕事もあると思います。だからといって「挨拶はいらない」と考えてしまうには無理があると思います。
職人の中には今でも、俺の腕が良ければ客は来る、愛想なんていらない、と考えているのか、無愛想な、返事もしない職人さんもいます。だけど案外奥さんが愛想よかったり、他の職人さんが愛想よかったりして、その人をカバーしていることもあります。いくら腕が良くても、無愛想では、腹を立てて帰る人も、二度と来なくなる人もいると思います。
お互いの信頼関係があれば、挨拶をしなくても済むこともあると思います。例えば夫婦とか親子関係では、挨拶もなしで済ますことも多いと思います。しかし、私は子どもの教育のために、夫婦の間でも、子ども達とも「おはよう」とか「行ってきます」とか「ただいま」とかの挨拶を言うようにしていますし、言わせるようにしています。
若い皆さんはどう思いますか、やはり挨拶はいらないと思いますか。
ある女子高の先生が、生徒に挨拶をしても知らんぷりで、誰も返事をしてくれない。これでは社会人になって大変なことになってしまうと考えて、「あすは運動」を展開しているというお話を聞いたことがあります。“ありがとう”“すみません”“ハイ”の三つの言葉の頭の字を取った「あすは運動」です。
日本語として素晴らしい言葉。誰もが心優しくなれる言葉が“ありがとう”の言葉であろうと思います。又、人間関係に角を立てない言葉。相手を敬い、自分をいましめる、気軽な言葉が“すみません”であろうと思います。又、元気のいい返事。聞く人はもちろん、返事をする自分自身にも、適度な緊張と活力のわき出て来る素晴らしい返事が“ハイ”であろうと思います。
「ありがとう」「すみません」「ハイ」の三つの言葉が照れずに、面倒くさがらずに言えるようになったら、日常の挨拶も簡単に言えるようになります。ぜひ「あ・す・は」運動を、努力して言えるように頑張ってもらいたいと思います。
挨拶の苦手な人は、山登りをするといいですよ。下る人、登って来る人、皆が「こんにちは」と挨拶してきます。最初は、照れくさくって返事もできませんでしたが、だんだんこちらから進んで挨拶ができるようになります。私もあまり挨拶は得意ではありませんが、自分の修行として、一日に最低見知らぬ人三人に、進んで挨拶の声を掛けるように努力したことがあります。エレベーターに乗っている人がいれば、「失礼します」と言って乗る。温泉や銭湯の湯舟で一緒になった人に、「気持ちいいですね」とか「良く来られるんですか」と声を掛ける。家の近所ですれ違う知らない人に「こんにちは」と声を掛ける等、自分自身で進んで挨拶を心掛けた時もあります。ちょっとしたきっかけで、すんなりと挨拶ができるようになります。
知らない人と、気軽にお話ができるようになると、人間関係の輪が広まっていきます。新しい発見も増えてきます。私もまだまだ見知らぬ人に声を掛けるのは苦手ですけど、努力しています。
皆さんも努力して、挨拶をするようにしてください。きっと、自分の中の世界が明るくなってきますよ。
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