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宮司のいい話

No.193

種と実

因縁という言葉があります。これは、大地に種を蒔いたとき、その種はやがて成長して実を結びます。この種と実の関係が因縁であると思います。
良い種を蒔けば良い実がなる。悪い種を蒔けば悪い実がなる。良きことも因縁、悪いことも因縁であり、必ず原因があって結果が生まれるのです。物事は結果だけを見ても駄目で、必ずそうなるための原因があるのだから、原因を勉強しなさい。と、教えているのが因縁という言葉だと思います。
物事に成功する。あるいは失敗をする。成功するには成功する原因があり、失敗するには失敗する原因があるのです。
悪い種をなるべく蒔かないようにして、良い種を蒔かせようとするのが宗教の教えなのです。
しかし人間には、一人一人顔形が違うように価値感も感性も好みも違います。ついつい自分に合った自分の好きな種だけを蒔いてしまいます。するとでき上がる実も自分に都合のいい実が生まれてきます。でき上がる実が万人に喜ばれる実であるならば、それは素晴らしい真理にかなった実であるといえましょう。しかし、ほとんどの場合自分本位に作られたものは万人には受け入れられません。無理やり受け入れさせようとすると、反発や争いが生じます。
因縁はその人の性格によって作られるのではないかと思います。良い種を蒔くか、悪い種を蒔くかは、その人の性格のなす業ではないでしょうか。
こんな言葉が思い出されます。
『自分が変われば相手が変わる
相手が変われば態度が変わる

態度が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる

習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる

運命が変われば人生が変わる』
人格は性格の現れです。つまり悪い因縁をしょっている人は、自分の性格を変えない限り悪い因縁を断ち切ることはできないのです。性格は環境による影響が大きいと思います。子は親の胎内に宿った時から、親の知性や感性等、親の影響を受けて育ち、その性格が引継がれることも多いと思います。自分が変わることは子孫を変えていくことになるのです。
「悪い因縁をしょっているから、あなたは不幸になる、因縁を絶ち切らなければ駄目」
と良く聞くことです。因縁は始末におえない難しいもの、又自分ではどうしようもできないこととは思わず、自分が変われば因縁も変わるんだと思い、自分の心、そして自分の環境を変えていくよう努めたならば、悪い因縁を断ち切り、更には、良い因縁へと変えていくことができるのです。
全国の神社で必ず唱える、千三百年以上も前に作られた大祓詞という、お祓いの祝詞があります。この大祓詞の中に「天つ祝詞の太祝詞事を宣れ」と、書かれている部分があります。「天つ祝詞」とは、天つ神の仰せられた立派なお言葉「清く・正しく・睦まじく生きなさい」、つまり人間は清々しい心で、素直に、明るく生きなければならない。という神様のお言葉です。「太祝詞事を宣れ」とは、堅固な意志を持って神様の仰せられるお言葉とおりにいたします。とお誓いしなさいということです。
このように決心してお誓い申し上げ、悪い行いを正したならば、親神様は、あなたの罪(我欲によって、良いものを包み隠してしまうような悪い思いと行い)とか、穢(生命の命、元気の気を枯らしてしまうような状態)をただちに祓い清めて、良き方へと護り導いてくださいますよ。と、いっているのです。
要は、自分の心を神様の御心にかなうように「清く・正しく・睦まじく」心を切り変えていかなければ、因縁も環境も人生も良き方に変えていくことができないのです。その反面、心を切り変え、行いを正したならば、即座に親神様は、お聞き取りくださって、悪いものはすべて祓い清めて救ってくださいますよ。と、いっているのです。
常に神様は我々に対し救いの手を差し延べてくださっています。自分の心の持ち方一つで年齢に関係なく、いつでも救ってくださり、新たなる活力へとよみがえらせてくださるのが、神様の有難い御心であります。
しかし、物事には“流れ”というものがあります。水面に石を投げたならば、波紋が幾重にも広がっていきます。投げるのを止めても波紋はすぐには止まりません。そのように、心が切り変わっても現象が切り変わるまでには時間が必要です。良い種を蒔くには、やはり、人生なるべく早い内でなくては良き実がなるまでに、限りある人生に間に合わなくなってしまうこともあります。
「清く・正しく・睦まじく」神様のお心に自分の心を照らし合わせて、早めに良き種を蒔き、良き因縁に囲まれた生活ができるよう、日常の心掛けを正していきましょう。

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